BambooHR のデータから、新入社員がすぐ辞めてしまう理由の上位 3 つが明らかになりました。上司が好きになれない、期待していた仕事内容と異なる、自分の仕事が好きになれないと確信した、の 3 つです。
もし何らかのプロセスが用意されていて、新入社員に経営、会社、役割の内容についてもっとよく理解してもらえたら、採用して配属してから不向きがわかるというような膨大な時間の無駄が防げたのに…
そのようなプロセスがあるのです。
それはオンボーディングと呼ばれるプロセスで、正しく理解して実行すれば、新入社員の定着率が 82 %、生産性が 70 % 以上向上します。
新入社員は即戦力になって会社で成果を出していると感じたいと願っています。また新しい仕事を探して不慣れな環境でやり直したいとも思っていません。
自社のオンボーディング チェックリストが整備され、まさにこの願いにマッチしていたらどのようになるでしょうか?
入社初日、新入社員が職場に顔を見せたときには、すでに組織内の人脈が出来上がっています。新入社員がやってきたことも仕事の内容も職場の全員がわかっています。新入社員は身の回りのことだけでなく、心構えもできており、すぐに同僚と仕事が始められます。
時間を無駄にすることはありません。なぜなら期待に応えられるよう準備が整っているからです。つまり、新入社員は組織における自分の目標や重要なコンプライアンス事項だけでなく、どうすればすぐに生産性を高められるかを知っているのです。
新入社員は、事前に設定された経営陣との会議、適時の研修、数週間前に任命されたオンボーディングの相談員との親密な交流を楽しみに待っています。
もうこの社員は成功するための準備が整っています。チャンスが来ればそれを掴むことができるのです。それは、会社が社員の長い在任期間を十分に考え、以下に紹介するベスト プラクティスを踏まえて実際に役立つオンボーディング チェックリストを作成したからに他なりません。
出社初日ではなく採用したときから始めましょう
従業員ポータルへの招待メール、書類作成を自動化しシンプルにするワークフロー(そのようなものが実在するのです)へのリンク、あるいは単なるメールでもかまいません。出社当日になる前に、何らかの方法で新入社員と連絡を取り合うことが重要です。
新入社員と心を通わせ、自分のチームに迎え入れることをどれだけ楽しみにしているかを伝えるには、多少のコツが必要です。しかし、その効果は科学的に十分証明されています。
アイオワ大学の論文によれば、新入社員は、新しい職場で歓迎されていると実感したことで、満足感が高まり業績が向上したと回答しています。また、その組織に長くとどまる傾向が見られました。
残念ながら逆もまた然りです。自分の会社に共感を覚えなかったり、ずれを感じたりした従業員は、やる気を失って生産性が落ちただけでなく、慢性的な不満を抱える傾向が見られました。仕事に身が入らない従業員を頼りにすることは避けたほうがよいでしょう。
そのため、気にかけている様子を見せてください。うってつけの職場にいることをわからせてください。歓迎されているだけでなく、成功への準備を整えてくれたと感じてもらうことが必要です。そのためには、新入社員が初めてオフィスに足を踏み入れる前に、人事関係の諸手続きをできるだけ片付けておくことが重要です。
歓迎行事は早く始めましょう
新入社員にとって、出社初日は大切な一日です。そのため、顔合わせで新入社員を忙殺するのは避けたほうがよいと考える人事の専門家やマネージャーがいるのもうなずけます。
しかし、データを見るとそうではないことがわかります。
Robert Half & Associates 社の調査によると、新入社員の 89 % が上司に会いたいと思っており、83 % が初日に同僚に正式に紹介されたいと考えています。興味深いことに、初日に昼食に誘われることが重要だと考えたのはわずか 44 % でした。
しかし、もし初日に新入社員との昼食会を計画しているなら、初日のずっと以前にオンボーディング チェックリストに沿って作業を始めていたことを新入社員に知ってもらう最高のチャンスです。
最初の数週間の枠組みを作りましょう
顔合わせがすべて終わって職場で初めて一人になったときに、何から手を付けてよいのかわからなくなった経験を多くの人がしています。
事前に計画することが重要なのはそのような状況を避けるためです。最初の数週間、次の仕事やコンタクトする人を手探りで見つけるような苦労を新入社員にさせてはいけません。
繰り返しになりますが、計画は新入社員にとって企業文化を知る手がかりであって、次のようなメッセージ伝えることになります。「君はうちの職場にうってつけだ。来てくれてうれしいよ。一緒に頑張ろう!」
あるいは、新入社員が仕事を始める前に、行動予定表や出張旅費システム、自動オンボーディング ワークフロー(そのようなものが 1 つでもあれば最高です!)、その他のツールをセットアップして、働き始めの時期の枠組みを示してあげることが重要です。
「デスクトップをセットアップしなさい」、「IT 部門の山田と話をしてアクセス権をもらいなさい」といった指示は、本来の仕事がこなせるようになった数週間後にまわすことが大切です。
オンボーディング チームには十分な人材をそろえましょう
部門にまたがったチームは組織内で起こるさまざまなことについて良き相談役になります。実際に役に立つオンボーディング チェックリストを作成するという重要な仕事をするのに、そのようなチームを組織しない理由はありません。
確かに、人事部門に任せておけば、コンプライアンス事項は十分カバーされるでしょう。しかし、作業環境を整える方法を知っているのは IT 部門です。心得ておくべきさまざまな日常業務を知っているのは自部署のベテラン社員です。さらに、新入社員に適用される業績評価指標を知っているのは管理職です。
そして結局のところ、上司からのサポートやフィードバックがオンボーディング チェックリストの初めのほうにあることは、新入社員にとって非常にありがたいことです。
米国経営学会誌に掲載された調査結果によれば、新入社員は、自分が認識した上司からサポートを役割の明確さや働きがい、さらには賃金に関連付けています。不幸なことに、平均的な新入社員は、このようなサポートが入社してからわずか 6 か月で低下し、それに伴って仕事に対する認識も悪化したと感じています。
指名された相談員(「オンボーディングの相棒」と言ってもいいかもしれません)がいる新入社員個人に合わせたオンボーディング チームは、地図のようなものです。なぜなら、オンボーディング チェックリストに従って移動すれば、やみくもに進むより早く高い生産性を発揮できるようになるからです。
書類作成に時間を取られないようにしましょう
1,500 人の従業員、マネージャー、人事担当者を対象とした ADP 社の調査によると、人事部門の 80 % が、オンボーディングの書類を自分で作成するよう求めています。しかし、スマートフォンを使って少しでもオンボーディングの書類作成ができるのは、従業員の 12 % 未満にすぎません。
税務書類、従業員ハンドブック、契約書、給与関係書類、機密保持契約など、オンボーディング プロセスではたくさんの書類が必要になる...
本当でしょうか?
At Dropbox Sign, we’re all about making our clients more awesome and business more intelligent. We don’t think the answer to document-heavy workflows is just turning repetitive, overbuilt, 15-page healthcare enrollment packets into a repetitive, overbuilt, 15-page healthcare enrollment PDFs.
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Yes, collecting new hire data is an important box to check on your onboarding checklist—but who says you have to do it the way it’s always been done?
役割期待を明確に示し定期的な相談の機会を設定しましょう
「課題には、緊急のものと重要なものがある。緊急の課題は重要ではなく、重要な課題は決して緊急ではない。」
このアイゼンハワーの言葉は他人事ではありません。
予定外の来訪や増え続けるメールの処理、同僚やクライアントから依頼された「火消し」の合間をぬって本当に片付けたい仕事を片付けることは、誰にとっても非常に大変です。
最初に守るべき計画を作っていない場合はなおさらです。
曖昧さは敵です。もし、新入社員に SMART 目標の作成を指導せず、担当の相談員や他のオンボーディング チームのメンバーに相談する定期的な機会を設定していなかったとしたら、新入社員が期待した能力を発揮できなかった責任を負う必要があります。
こちらからフィードバックを求めましょう
入社初日に机の準備ができていなかったということはありませんか?みんなが使っているシステムに新入社員がログインできるようにするのに 1 週間かかったのではありませんか?
幸いなことに、新入社員があなたの仕事はくだらないと面と向かって言うことはないでしょう。だからといって、ヘッドハンターからの電話を取ろうと決めたときに、そう思っていないとは限りません。
従業員の 3 分の 1 は、入社して 1 か月のうちに、その組織に残るかどうか決めます。入社してから 30 日という期間は何かに一致していませんか?そうです。オンボーディング チェックリストの期間です。
他の従業員が早々と辞めていくのを見て驚くのではなく、彼らの考えや気持ちを知る方法を見つける必要があります。それは簡単です。こちらからフィードバックを求めましょう。
従業員のおよそ 40 % が、上司や先輩が自分のアイデアを認めてくれないと感じたら努力するのをやめると答えています。フィードバックを求めて耳を傾けるだけで、チームと組織全体の生産性を本当に向上させることができます!
オンボーディング チェックリストを使用して、フィードバックを定期的かつ積極的に求める習慣を身に付けてください。そうすれば、不必要な遅れや転職を防ぐことができます。
あらゆる機会をとらえて、企業文化を伝えましょう
ハーバードビジネスレビュー誌がさまざまな調査結果 70 件を調査したところ、職場で社会的に受け入れられていると感じることが新入社員を成功に導く最大の要因の 1 つであることが判明しました。
従業員がネットワークの一員になったと感じたとき、質問をしたり、必要なリソースを使用したりしてもよいのだとの認識が生まれます。さらには、会社を飛躍させる大きな仕事に挑戦することにつながります。
新入社員のオンボーディング プロセスは、会社の姿やそこで働く理由について新入社員に理解してもらう絶好のチャンスです。それぞれの従業員と認識を一致させたいと願うなら、企業文化の教育をオンボーディング チェックリストに着実に組み込んでいくことをおすすめします。
企業文化の発信が乏しく一貫性がなかったり、そもそも発信していなかったりすると、戦略目標に向けた企業の前進がとん挫します。組織の目標や使命に対する従業員の理解が異なっていたら、全員が足並みをそろえて同じゴールに到達することは不可能です。
企業文化をどのように伝えればよいか疑問に思ったときは、オンボーディング チェックリストの中に、企業文化を浸透させるためのガイドを組み入れ、透明性を高める方法、目的を共有する方法、対話を始める方法などについて理解を深めてください。
1 週間では足りません
オンボーディング チェックリストの期間をどの程度にするかは、自由に決めてかまいません。しかし、採用を決めたその日から出社初日の少なくとも 6 か月後までにすることをおすすめします。
新入社員の初出社よりかなり前に始めるステップが本当に重要です。新入社員に今後のことを理解する時間を与えるだけではありません。受け入れる側も、時間をかけて十分な準備をしたうえで、新しい同僚を迎えることができます。
60 日間または 90 日間の試用期間が設けられている場合、部門にまたがるオンボーディング チームと相談員は、その期間中新入社員を支援して最初の役割期待に応えられるようにする必要があります。
オンボーディングの仕事が数か月にわたって減っていくのは確かですが、自身の役割、会社、進歩の機会について理解を深めるために受けるべき具体的な研修を説明する責任を果たすことは欠かせません。
人事部門から他の部門や業績管理などの専門家にオンボーディングが引き継がれるのもこのタイミングです。
オンボーディング チェックリストが正式に 1 年間をカバーしていなかったとしても、新入社員の最初の 1 年の働きぶりを評価できるレビューの場を設ける必要があります。1 年あれば、その年に抱いた懸念が具体化されます。そこで、新入社員にフィードバックの機会を与え、職場環境と業績評価指標に満足していることを確認してください。
最高のオンボーディング チェックリスト
これまでに触れたベスト プラクティスを使ってオンボーディング チェックリストを作成することで、新入社員の職務遂行能力を高め、組織への強い帰属意識と働きがいを醸成することができます。その結果、転職が少なくなり、考え抜かれたオンボーディングがあれば残っていてくれたはずの従業員の後任を膨大な費用と時間をかけて探す必要がなくなります。
ここに挙げた項目はすべてが簡単というわけではなく、対象の従業員がすべてやるべきものでもないことを踏まえたうえで、内容を理解してください。最高のオンボーディング チェックリストを作成する目的は、必要な仕事を前もって行い、混乱や転職を招くことなく、新入社員、人事部門、組織全体が最大限の能力を発揮できるようにすることです。
この最高のオンボーディング チェックリストは、Betterteam 社と Process Street 社の支援を得て編集されたものです。内容を十分理解し、すばらしくユニークなチームに見合った独自のオンボーディング ワークフローを完成させてください。
出社初日の前
- 部門にまたがるオンボーディング チームを組織し、相談員(「相棒」)を紹介する
- 新入社員の上司と役割、目標、責任についてすり合わせを行う
- 届け出や書類の記入は済ませておく
- 従業員の作業環境を準備する
- 必要と思われるツールやデバイス、ドアへのアクセス権を設定する
- 仕事に必要となるソフトウェアのアカウントを作成する
- 新入社員にいつも提供している会社方針、ハンドブック、読み物などを送付する
- FAQ 集を含めた福利厚生の資料を用意する
- 職務内容と責任範囲を記載した書類を送付する
出社初日
- 新入社員が出社したことをチームに知らせ、採用担当のマネージャーに挨拶の準備をするよう伝える
- 正式にチームに迎え入れ、顔合わせを行う
- 職場を見学する
- 最初の研修資料に取り掛かる
- 役割期待を再度伝えるため経営陣とのミーティングを設定する
- 企業文化について説明する
- 担当の相談員に対面で会うようにする
最初の 1 週間
- 最初の実務に取り組ませる
- その後 1 か月間の役割期待をよく考える
- 少なくとも 1 回は相談の機会を設定し、フィードバックを得て質問に回答する
- 担当の相談員とよくコミュニケーションを取るよう促す
最初の 1 か月
- 自分だけでなく管理職や担当の相談員を交えた相談の機会を数回設定する
- 会社の大局的な長期目標について説明し、新入社員が会社の方向性や文化を意識して行動できるようにする
- 自己啓発に使える読み物を提供する
- 小さなイベントを数回設定して、チームとの交流が深められるようにする
- オンボーディング チェックリストについてのフィードバックを求める
3 か月後
- 非公式な業績評価を計画する
- これまでとこれからの業務を見直し、一貫性を保つようにする
- 以前に設定した業績目標を見直し、新たな役割期待を設定する
- 再度フィードバックをやり取りする
- 研修で従業員の進歩を確認する
- 試用期間の終了とその後の役割期待について議論する
- 企業文化に対しどのような感情を抱き、どのように溶け込んでいるかを確認する
6 か月後
- 半期の業績評価を実施する
- 従業員の目標とこれまでの達成状況を確認する
- 次の 6 か月間の目標と目的を設定する
- 必要な研修をすべて受けたことを確認する
- 本音が言える環境を作る
- 今も強い文化的つながりを感じていることを確認する
1 年後
- 年次の業績評価を実施する
- 会社における最初の 1 年をふりかえり、役割期待の達成状況を評価する
- 次の 1 年の目標、課題、計画について議論する
- 報酬と昇給に関する方針を説明する
- オンボーディング チェックリストと企業文化についてフィードバックを求め、耳を傾ける
- 1 年目のマイルストーンに到達!次の 1 年がすばらしいチームワークの年になりますように
効率を維持
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